
老人ホームに興味があるけど、実際にどんな事をするんだろう。
医療行為はどのくらいあるのか知りたい…

老人ホーム看護師歴8年の私に詳しく説明させて下さい。
老人ホームでは看護師の人数が少ない分、判断を迫られる場面もあります。
私は仕事内容をよく知らずに就職して、「老人ホームってこんなところだったのか、病院とずいぶん違うんだな。」と驚きました。
有料老人ホームでの医療行為はどれくらいあるのか、具体的にどんな仕事内容なのかを知って「こんなはずじゃなかった‥。」とならないようにしましょう。
この記事を読んで分かること
- 有料老人ホームの看護師の役割と仕事内容
- 看護師の1日のタイムスケジュール
- 具体的に行われる医療行為
施設ナースは病棟より業務内容は優しく、体力的にも負担が少ないです。
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看護師の役割は『入居者の健康管理』

老人ホームは、病院のような「医療の場」ではなく、入居者の「生活の場」です。
日々、安定した状態で過ごせるよう、看護師と介護職員が連携し状態観察を行い、異常があれば訪問診療医などに報告します。
詳しい検査や治療が必要と判断された場合は、病院受診をします。
病院の受診結果により、老人ホームにもどって指示の内服などを服用する場合と、そのまま入院となる場合があります。
そのため老人ホームの看護師は、訪問診療医へ報告をしたり受診をするべき症状があるかを判断する必要があります。
老人ホーム看護師の仕事内容
- バイタルサインのチェック
- 薬の管理、準備
- 療養上の処置(医療行為)
- 記録(バイタルサインの測定値や処置内容、特記事項など)
- 異常時や特記事項をDrへ報告
- 緊急受診の対応
- 入院時の看護サマリー記入
- 受診付き添いや入退院のサポート
- アクティビティやレクレーションの補助
落ち着いている日は基本的にバイタルサイン測定と薬の準備、経管栄養の注入などがメインです。
入居者の体調に異常があった場合は訪問診療医に報告し、指示に合わせた処置を行います。
例えば、熱があれば指示された抗生剤や解熱剤を投与する、Spo2の低下があれば酸素投与を行う、病院受診の指示があれば緊急受診の準備をする、などです。

私の体感ですが、
体調変化に対する対応の頻度は1週間に1~2回ほどです。
その中で受診が必要な場合は1~2週間に1回、
急変ですぐに救急車を呼ばないといけない事態は数か月に1回ほどです。
有料老人ホームでの看護師の夜勤はあるの?
およそ8割の介護付有料老人ホームで、看護師は日勤のみです。
夜勤は介護職員のみで行い、医療的判断が必要となった場合は緊急受診をしたり、看護師がオンコール対応をします。オンコール対応では夜勤の介護職員から医療的な相談をされるので、どうすればいいのか指示をします。
2割ほどの有料老人ホームでは看護師も夜勤がありますよ。
看護師が常にいる老人ホームでは、医療ニーズが高い入居者が多くなります。
夜勤の看護師は1人で、介護職員と連携しながら業務を行いますよ。
夜勤がある分、給料は高くなります。
はじめは1人夜勤は心配になると思いますが、慣れると自分のペースでできるので人気がありますよ。
老人ホームでの夜勤のポイントについてはこちらで記事にしています。
1日のタイムスケジュール
9:00 申し送り、予定確認
9:30 入居者のバイタルチェック、処置など
10:30 経管栄養の注入
11:30 休憩
12:30 薬の準備
14:00 入居者のバイタルチェック、記録
16:00 経管栄養の注入
17:00 申し送り、雑務
18:00 業務終了
申し送りでは主に体調変化があった入居者の状態や、頓服薬の使用について介護スタッフと共有します。
1日の予定確認では、定期受診や往診、面会や施設でのイベントなどを確認します。
バイタルチェックは全員ではなく看護師が測る必要のある、医療ニーズの高い方のみです。
他の入居者は介護スタッフが測定します。
老人ホームによって機能別看護をしたり、受け持ち制にしている
・リーダー‥ バイタルサインや異常時の対応、訪問診療医への対応など
・サブ‥注入や吸引、薬の準備、傷の手当などの処置担当など
看護師それぞれが担当するグループのバイタルサイン測定から処置まで行う

入居者の数が多いところほど機能別看護を採用している場合が多いです。
具体的な医療行為はどの程度行うのか

厚生労働省では老人ホームでの看護師の医療行為について以下のように説明しています。
看護職員の業務は、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)において診療の補助等を行うことと定められており、有料老人ホームにおいても、医師の指示下で一定の医行為を行うことが可能である。
引用元:有料老人ホームにおける看護職員の医行為等について
老人ホームの看護師が行う医療行為(頻度が高い順)
- 経管栄養
- 痰の吸引
- インシュリン注射、血糖測定
- 在宅酸素管理
- 尿道カテーテルの管理(間欠的導尿もあり)
- 褥瘡への処置
- 中心静脈栄養(主にCVポート)
- 人口呼吸器の管理
老人ホームには医師が常駐していないので、高度の医療ケアは難しくなります。
昼間しか看護師がいない老人ホームでは吸引が必要な方も少なく、中心静脈栄養や人口呼吸器の方は受け入れていないことがほとんどです。
施設によっては研修をうけた介護士が痰の吸引と経管栄養(胃ろう)を行うこともあります。
訪問診療の往診医などが行う処置
- 採血
- 血管確保や点滴、静脈内注射
- 経鼻チューブ交換、胃ろう交換
老人ホームの方針によって異なりますが採血や血管確保を、老人ホームに勤務している看護師が行うことは少ないです。
血管確保された後に指示された点滴をしたり、抜針したり生食ロックをする事はあります。

老人ホームは基本的に生活の場なので病院のような高度な医療処置はありません。
高度な治療が必要となれば、病院に入院して治療をしてもらいます。
まとめ
老人ホーム看護師の仕事は健康管理がメインです。入居者の体調に変化がある場合は忙しくなりますが、基本的に落ち着いています。
医療行為については各老人ホームによって異なりますが、臨床経験があれば行える基本的なものばかりです。
その分、医療行為をしっかりと行いたいと思う看護師の方には、ものたりないかもしれません。
24時間看護師が勤務する老人ホームでは行う医療行為が増えます。
募集は少ないですが、もう少し医療行為をしたいし夜勤もできるという方は24時間看護師のいる老人ホームを探すのもおススメです。
老人ホームでは年単位で入居者やそのご家族と関わるので、いっしょに笑ったり思いを共有する機会は多いです。
入居者を尊重しながら最期の時まで関わっていきたいという方には老人ホームはぴったりの職場だと思います。
老人ホームのメリット・デメリットについてもそれぞれ書いているので、もしよければ読んでみて下さい。
看護師が活躍できる介護施設6種類についてはこちらで記事にしていますよ。


入居者とゆっくり関わる時間もあるので、高齢者との関わりが好きな方には楽しいと思います。

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